Q1:「ローバル」ってなに? 

A:ローバルは、亜鉛めっきと同様に電気化学的な作用で鉄をさびから守る塗料です。

Q2:ローバルシリーズはどんな種類の塗料なの? 

A:1液形 or 1液1粉末 有機質ジンクリッチペイントです。(日本名:有機質高濃度亜鉛末塗料)   

Q3:1液と1液1粉末の違いは? 

A:1液:そのまま撹拌して使用可能です。使用後も保管、再使用可能です。
  1液1粉末:塗料液と粉末の荷姿で使用時には混合が必要です。残塗料は廃棄処分が必要です。

Q4:ジンクリッチペイントの有機系と無機系との違いは? 

A:

  無機系ジンクリッチ 有機系ジンクリッチ
バインダー アルキルシリケート
アルカリシリケート
反応形エポキシ系
高分子エポキシ系
エポキシエステル系
アクリル系
長 所 防食性が優れる
摩擦に強い
耐熱性・耐油性・耐溶剤性がよい
付着性が良い
作業性・保存性がよい
素地調整に幅がある
短 所 厳密な素地調整が必要(ブラスト)
硬化に適当な温度・湿度が必要
塗膜の加工性が悪い
硬化中に気泡クラックが発生しやすい
有機溶剤に弱い
耐熱性に劣る
摩耗に弱い

 

Q5:ローバルシリーズ商品中に鉛は含まれていますか? 

A:鉛は配合していません。顔料は全て亜鉛末(一部商品にアルミニウム・マグネシウムを使用)です。

Q6:「亜鉛」と「鉛」の違いは? 

A:「亜鉛」と「鉛」は全く違う物質です。
「鉛」は人体に対して有毒です。一方「亜鉛」は人間の味覚を司る必須元素として欠くことのできない天然由来の有益な金属(ミネラル)です。

Q7:本当に常温で亜鉛めっきができる? 

A:ローバルは亜鉛めっきと同等のさび止め効果が期待出来ます。但し、塗装膜のため溶融亜鉛めっきに比べると強度などの物性は劣ります。
1947年、イギリスのケンブリッジ大学で研究が行われ、乾燥塗膜中に多量の亜鉛末を含むことで、溶融亜鉛めっきと同じように鉄を電気化学的にさび止めすることがわかりました。その理論を用いて製品化したものがローバルです。

Q8:「ローバル」と一般塗料の違いは? 

A:一般塗料は、環境遮断によってさび止めします。たとえ、耐候性が高いフッ素塗料であっても塗膜に傷が入ると、そこから雨水が浸入し、傷周辺からさびが広がっていきます。

一方、ローバルは、溶融亜鉛めっき(俗称:ドブめっき)や電気亜鉛めっきなどと同じように「鉄よりも亜鉛の方がさび易い」という特性を利用したさび止め機構を採用しています。亜鉛が鉄よりさび易いといっても鉄のように「赤さび」がどんどん進むようなことは無く、「白さび」は発生しますが、その速度は非常に緩やかで信頼性が高いさび止め方法として1950年代日本に紹介されました。

大きな特徴として、ローバル塗膜に傷がつき、鋼材が露出しても、その周りの亜鉛が鋼材の露出した傷部を保護し塗膜の下にさびが広がることを防止します。(犠牲防食作用)
(立体駐車場の車路(タイヤの通路)での実績なども多数有ります)

重要:ローバルは、鉄や亜鉛めっきに直接塗らないと電気化学的なさび止め効果はありません。

Q9:スプレー缶はなぜ横向きに保存するの?

A:横向きに保存しておくと、中に入っている撹拌球が動きやすいため、早くカラカラと音がして撹拌がスムーズにできるからです。

Q10:一度使用したスプレー缶の保存方法は?

A:使用後すぐに逆さにし、2秒程度スプレーして横向きに保存してください。
逆さに向けてスプレーすることによって、噴出ガスがチューブの中に残った塗料を掃除(除去)します。